私立恵比寿中学というアイドルグループを好きになって感じたこと。一人一人がかけがえのない存在。

今回は、いつもとちょっと路線を変えて、コラム風でお送りしています。

私立恵比寿中学という存在を知る

私が私立恵比寿中学というアイドルの存在を知ったのは、2012年くらいでした。もともとモーニング娘。をきっかけにアイドルが好きになり、色んなアイドルグループを渡り歩いていたころ、当時通っていたファンサイトの管理人さんがエビ中にハマっていることを知りました。ただ、その時は「永遠に中学生」「King of 学芸会」というパンチの効いたキャッチフレーズに一歩引いてしまい、「なんだかややこしそうなグループだなあ」と思ってスルーしてしまったことを覚えています。

その後、2014年になり、いつものようにアイドルの情報をチェックしていると「私立恵比寿中学から3人が転校(脱退)」というニュースが目に入りました。

調べてみると、9人いるグループから3人が抜ける、という一大ニュースで、エビ中をよく知らなかった自分でも衝撃を受けました。「そういえば、エビ中は気になってはいたけど、ちゃんと見ていなかったなあ」と思い、この機会に改めてチェックしてみようと思いました。

それから数日、同じくアイドル好きな姉とアイドルのライブ動画を見ていたとき、たまたまエビ中の動画が流れました。「ザ・ティッシュ〜とまらない青春〜」と「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」を熱唱している映像だったのですが、今までに感じたことのない衝撃を受けました。最初に驚いたのは、曲でもダンスでも衣装でもなく、メンバーの声。なんとも形容しがたい声で歌っていたのは「ぁぃぁぃ」こと廣田あいかさん。ぁぃぁぃの声をフックにエビ中のファンになる人が多いのですが、私も例に漏れずその一人になりました。ちなみに、メンバーの声が一番のインパクトではありましたが、同時に2重3重のインパクトを放ってくるのがエビ中の凄まじいところであり、楽曲の歌詞に、メンバーの個性に、パフォーマンスに…と、気を抜いていたらとにかくやられてしまうのです。動画を見ながら、私は「こんなに強烈なメンバーが9人もいるなんて、なんてグループなんだ…」と、とにかく驚きっぱなしであったのを覚えています。

エビ中沼に、ずるずるとハマっていく

それからはなにかに取り憑かれたかのように、毎日毎日エビ中の動画漁りを繰り返していました。エビ中の楽曲は固定した路線というものがなく、どの動画を開いても、バラエティーに富んだ楽曲が飛び出してきます。運動会の歌やら、花粉症の歌やら、お化け屋敷の歌やら、普通の青春ソングっぽかったり、いきなりシリアスになったり、王道J-POPだったり…。楽曲のクオリティーもさることながら、驚くのはそれらをきっちりパフォーマンスしてしまうメンバーのポテンシャルです。もともとスターダストプロモーションの女優志望だったはずの女の子たちが、どうしてこんな一風変わったアイドルグループにぴったりとハマってしまうのか、驚きでした。

曲を聴くたびに、笑ったり泣いたり忙しかったのですが、決定打になったのは「禁断のカルマ」を見てからの「手をつなごう」でした。手をつなごうのライブ動画を見てあろうことか泣き伏してしまい、「この子たちを応援したい!」と心の底から思うようになりました。

衝動に駆られ、フリーライブに行く

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2014年5月25日 宇治市 京都府立山城総合運動公園

アイドルファン歴こそ長いもののライブには一度も行ったことがない自分が、衝動に駆られてエビ中のフリーライブに行きました。バタフライエフェクトのリリースイベントで、場所は宇治市京都府立山城総合運動公園(通称・太陽が丘)。5月の暑い日で、日焼け止めを塗らなかったため真っ赤に日焼けし、帰ってきてから親にカンカンに怒られ、その後皮がペリペリめくれてきたのですが、そんなことも気にならないほど楽しかったです。ライブ自体はフリーでしたが、握手会に参加するためバタフライエフェクトのCDを物販で買いました。真山・星名・松野レーンに並んで、推しである真山さんを本命に作戦を練ったのですが、あえなく撃沈して帰ってきました。真山さんの頭の回転の速さ、星名さんのきらめくアイドル精神、松野さんの透明感の溢れる容姿は、いまだにはっきりと思い出せます。特にりななんは、いま思い出すとあの時会えて本当に良かったなあ、と思います。りななんは背が高いのに、背の低い私と目線を合わせてくれたことと、太陽の光に透けてキラキラと輝いていた茶色の瞳が忘れられないです。

りななんの急逝から、エビ中に感じたこと

2月8日、松野莉奈さんが急逝するという、想像もしていなかった出来事が起きました。あれから早いもので3ヶ月が経ちましたが、いまだに現実を受け入れられず、昔の曲のりななんのパートや、ライブで元気にパフォーマンスをしている姿を思い出すと、なんとも言いようのない気持ちになります。特に、「まっすぐ」を聴くたびに、胸に突き刺さってくるような、他の曲にはない感情を覚えます。

事実上、りななんのラストシングルとなってしまいましたが、この曲がりななんのラストになったことになにか意味を感じるような、そんな曲のように感じてしまいます。曲のラストスパートで、「君のため生きてゆきたい」という歌詞があるから、そう感じてしまうのか。私事ですが、エビ中が好きだった身内が去年亡くなった際も、同じ気持ちでこの曲を聴いていました。

最初は辛くて、エビ中の昔の曲でりななんのパートが流れてくると心臓を掴まれたような気持ちになっていましたが、最近やっと前のように聞けるようになりました。どの曲のソロパートも、りななんが歌うからこそ意味があるような歌詞ばかりで、曲を聴くたびにりななんを思い出せて、ご両親には宝物のように感じるのではないかな、と思います。

「梅」のラップや、「放課後ゲタ箱ロッケンロールMX」のデスボイス、「エビ中出席番号の歌」でのりななんパートは、どれもりななん無しでは考えられないほど、存在感のあるソロパートでした。楽曲を制作しているスタッフの方々が、メンバーの個性を考えてきちんとパートを割り振っていたから、こんなに1曲1曲が大切に感じられるのかもしれないですね。

りななん(松野莉奈)は、例えばドの音をファから始めると、そのままファがドと思い込んでしまうっていうくらいだったんです。でも周りとの競争で意識がかなり変わりました。最近は高い声も出るようになったし、音程も合うようになって。エビ中では“低音キャラ”で、「放課後~」では低音のラップ部分を全部任せました。ももクロ時代の早見あかりみたいなキャラにできたらカッコいいんですけどね。

私立恵比寿中学 - 楽曲&PV制作陣が語るエビ中 (1/5) - 音楽ナタリー 特集・インタビュー

メンバーの個性が楽曲の力を借りてキラキラと輝いている、そんなところがエビ中の最大の魅力だと思っています。

今も昔も、エビ中エビ中である

昔の曲を聴いていて思ったのは、エビ中は変化こそあれど、なにも変わっていないということ。変わりながらも前に進む、という決意をいつも感じさせてくれるのがエビ中であり、その姿はいつでも同じだということ。9人から8人になっても、8人から7人になっても、エビ中エビ中であり、一人一人が他のどのアイドルグループにも代えがたい、唯一無二の存在なのだと思っています。これはどのアイドルにも言えることなのですが、エビ中はとりわけそう感じさせられることが多く、こんなに個性の強いメンバーが一つのグループに集まっていること自体が奇跡のように思えます。

エビ中」というアイドルに出会えたことに、心から感謝しています。ありがとう。その姿を、どうかこれからも、ずっとずっと見させてください。

エビ中の絶盤ベスト~おわらない青春~

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